最近、賃貸物件からの退去や新しく引っ越すときに「クリーニング代が高すぎるんじゃないの?」と感じたことはありませんか?
実は、賃貸のクリーニング代は相場もわかりにくく、オーナーや不動産会社とのやりとりでモヤモヤしやすいテーマです。
でも、適正な金額を知らないまま言われるがまま払っている人が多いのも事実。
そこで今回は、賃貸のクリーニング代の相場や、交渉するときのポイントをわかりやすくまとめてみました。
自分の大切なお金を守るためにも、ぜひチェックしてくださいね。
賃貸のクリーニング代が高すぎる理由とは?

クリーニング代の相場を知ろう
まずは「相場」を知ることが大切です。
スタジオタイプ(1R・1Kなど)なら2〜3万円くらい、1LDK〜2DKくらいなら3〜4万円くらいが多い印象です。
さらに広い3LDK以上だと5万円を超えることもあります。
クリーニング代相場の目安
間取り | 入居中の料金相場 | 空室の料金相場 |
---|---|---|
1R・1K | 1.5万〜3.5万円 | 1.4万〜2.5万円 |
1DK・2K | 1.5万〜4.14万円 | 1.8万〜3.63万円 |
1LDK・2DK | 2.1万〜4.77万円 | 2万〜4万円 |
2LDK・3DK | 3.2万〜6.05万円 | 2.8万〜5.5万円 |
3LDK・4DK | 4万〜7.5万円 | 3.3万〜7.2万円 |
4LDK・5DK以上 | 6万円〜 | 4.28万円〜 |
もちろん物件の築年数や地域、設備などによって変わるので、あくまでも目安と思っておきましょう。
ここで注意したいのは、「相場を知らないと言い値で払ってしまうかもしれない」ということです。
相場を調べる方法としては、ネットで「クリーニング代 ○○(地域名)」などと検索するのが手軽でおすすめです。
複数の不動産会社やクリーニング業者の情報を比較すれば、大まかな金額感が見えてきます。
入居時のクリーニング代について

最近では「入居時にクリーニング代を先払いしてください」という契約が増えてきています。
これは、退去時にオーナーや不動産会社が「部屋を掃除して元の状態に戻すため」という名目で一律の金額を設定していることが多いからです。
ただし、入居してすぐに退去する場合などは「そんなに汚してないのにクリーニング代を丸々払うの?」と疑問を持ちますよね。
入居時にクリーニング代を先払いするときは、その金額が適正なのかをチェックすることが大切です。
不要な費用までまとめて取られていないか、細かく確認してみましょう。
退去時のクリーニング代の実態
退去するときのクリーニング代は、「普通に生活して汚れた部分」の費用と「自分の不注意でつけたキズや汚れ」の費用が混ざっていることが多いです。
なかには普通の生活での汚れまでも、「あなたが汚したから全額負担してね!」と言われるケースもあります。
実際には、たとえばフローリングにある細かい擦りキズや壁の色あせなどは“経年劣化”として扱われるはずです。
本来であれば、入居者が負担しなくてもいいケースが多いです。
でも、その点があいまいなまま「一律○万円ね」と言われてしまうこともしばしば。
退去時のクリーニング代が高いと感じる大きな原因は、こうした経年劣化分まで上乗せされている場合があるからです。
賃貸のクリーニング代を値切るための交渉術

交渉の前に知っておくべきこと
最初に大事なポイントをお伝えします。
交渉する前に「契約書」をじっくり読むことです。
契約書には、クリーニング代の金額や負担する範囲などが書いてあるはずです。
「部屋のどこをどの程度掃除して、それにいくらかかるのか」という具体的な記載があるかをチェックしましょう。
もしあいまいな記載しかなかったり、「退去時には○万円一律負担」などの表記があったら要注意です。
それは本当に有効な特約かどうかを確認する必要があります。
特約や無効について理解する
「特約」とは、契約の中で普通のルールとは違う取り決めをすることをいいます。
賃貸契約の場合、クリーニング代に関する特約がついていることがあります。
たとえば「どんなにきれいに使っていても、退去時に○万円払う」というものですね。
しかし、国が定めるガイドラインや裁判例では、経年劣化などの自然な消耗分は貸主(オーナー)側の負担とされています。
国土交通省住宅局 >> 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(PDF)
つまり、入居者が汚していない部分を負担させるような特約は“無効”になる可能性があります。
もしオーナーや不動産会社から「特約で決まっているので無理ですよ」と言われても、「それは本当に有効な特約ですか?」と聞く価値は大いにあります。
過去の判例などでも、あまりにも一方的な特約が無効と判断された例がありますので、泣き寝入りせずに主張してみましょう。
払わない選択肢はあるのか?

極端な話、「クリーニング代を一切払わない」という選択肢もゼロではありません。
でも、それを実行するには、契約書や法律の知識、過去の判例などをしっかり把握して交渉する覚悟が必要になります。
また、オーナーとの関係が悪化して敷金が返ってこない、トラブルが長引く、といったリスクも考えられます。
現実的には、完全にゼロにするのはハードルが高いです。
きちんと経年劣化分や通常使用の汚れと、実際に自分がつけた損傷分を分けて、妥当な部分だけ支払うように調整する方が現実的です。
賃貸のクリーニング代が高すぎる問題のまとめ

賃貸のクリーニング代が高すぎる時の対策と総括
- 相場を調べる
ネットや知人からの情報を活用して、住んでいる地域や物件のタイプに合った適正なクリーニング代を把握しましょう。 - 契約内容をしっかり確認する
退去時や入居時のクリーニング代について、契約書にどのように書かれているかを見直します。
特約がある場合は、それが有効かどうかも調べてください。 - 交渉は「具体的な根拠」を示す
「ネットで相場を調べたらこれくらい」「この部分は経年劣化では?」など、論理的に話をすることで相手も納得しやすくなります。 - キレイに使う努力をする
もちろん、普段から部屋を清潔に使うことで、退去時に余計なトラブルにならないようにするのも大切です。
賃貸のクリーニング代は、どうしても「高いなあ…」と感じる場面が多いです。
でも、相場を調べたり契約内容を知ったりすることで、不要な負担を減らすことはできます。
あまりにも高額な請求をされたら、ただ払うのではなく、まずは「本当に正しい金額ですか?」と質問してみましょう。
「知らないから仕方ないか…」ではなく、「きちんと確認して納得する」姿勢を持つことがとても大事です。
いざというときに役立つ知識を身につけ、しっかり交渉できるようになれば、高すぎるクリーニング代問題を回避できるかもしれません。
自分のお財布を守るために、この記事が少しでもお役に立てばうれしいです!